ニュートンの法則
<p>習いたての頃は、ニュートンの法則がよく理解できないことが多い。質問も非常に多い。</p>
3法則から成り立っていますが、第二法則、第一法則、第三法則の順に命名した方が
初心者にはいいのではないかと思ってならない。出来うる限り分かり易く解説したい。
定義;
●速度;単位時間当たりの移動距離の変化を速度という。注意すべきは方向を持っている
ことです。直線的に移動、円周状に移動、任意方向に移動と、色々な方向を持っている。
簡単の為に、直線運動で以下話を進めます。
距離x、時間tとすれば、速度vは次式で表せる。
V=dx/dt
●加速度;単位時間当たりの速度の変化を加速度という。注意すべきは方向を持っている
ことです。直線的に加速、円周状に加速、任意方向に加速と色々な方向を持っている。
簡単の為に、直線運動で以下話を進めます。
加速度αは次式で表せる。
α=dv/dt
(1)第二法則
力Fは加速度αに比例する。その比例定数を質量mという。次式で表せる。
F=mα
そして、mαを慣性力という。例えば、重力Fを慣性力のように加速度に換算して、
F=mg
とし、そのgを重力加速という。直線運動を考えているので次式になる。
-mg=mα
ここでは換算した値ではあるが、後にアインシュタインの相対性理論では
同じ性質のものであるとし、「等価原理」と呼ばれる。
直線運動でのもっと具体的な説明は下記を参照してください。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n163629
回転運動になるともっとややこ しいことになり、遠心力とかコリオリの力等が表れる。
結構、数式が出てくるので、ややこしい。下記を参照してください。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n160795
(2)第一法則
質点は、力が作用しない限り、静止または等速直線運動をする。
これは、速度や加速度を定義した後では、取り立てて強調するものでもない。
つまり、
mα=0 ⇔ dv/dt=0 ⇔ v=c(積分定数)
cは定数であり、c=0の場合は静止しており、c≠0の場合は等速直線運動をする
ことを表している。
このような性質を強調して、慣性という。この法則を慣性の法則ともいう
ニュートンは自分でこのような微分積分学を作り上げていた。偉いね。
(3)第三法則
二つの質点 1、2 の間に相互に力が働くとき、質点2から質点1に作用する力F21と、
質点1から質点2に作用する力F12は、大きさが等しく、逆向きである。つまり
F12=-F21
質点1に座標軸xを取る。第二法則により次式が成立する。
m1d(dx/dt)dt=F12+F21
m2d(dx/dt)dt=F12+F21
m1はxにくっついているのだから、dx/dt=0 となる。また、m1とm2も離れないでいる
のだから、次の式もdx/dt=0となる。すなわち
F12+F21=0
となるので、取り立てて強調するものでもない。
これは別名、作用反作用の法則とも呼ばれている。
制限事項
(1)現実に存在しない質点なる概念が使われている。なので、たとえば
剛体の運動を直接表すことができない。
(2)距離、速度、加速度、力は方向を持っているので、全方向を考慮しなければ
ならない。そのためには、3軸の成分に分解して考慮するか、あるいは
ベクトルとして扱う必要がある。
ベクトル計算として、万有引力の法則から、ケプラーの法則を導出する例を
下記のURLの(6)に示す。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n80192
(3)この第二法則は光速に近づけば近づく程、成立しなくなる。
なので、慣性の法則を表す第一法則や、作用反作用を表す第三法則は
強調すべきもので、非常に重要となります。
相対性理論については下記を参照してください。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n69087
導出できる事柄
ケプラーの法則もそうですが、力学的エネルギーの保存則、運動量保存則、
剛体の運動方程式、など道けます。
更なるよき解説の為のアドバイスをお願いします。