ペットアニマルについて~イヌという動物の異常さを考えてみる~

                                                    <h2>イヌという動物の異常さを考えてみる</h2><p>以前、知恵袋で飼い犬とじゃれあって遊ぶホッキョクグマについて、私は質問をしました↓</p><p>http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1192168776</p><p>このときは、ワンコを襲いもせずに遊ぶ微笑ましいホッキョクグマの行動ばかりに目がいきましたが・・・・考えてみると、野生動物として異常なのは、この場合は犬の行動のほうです。</p><p><br></p><p>ホッキョクグマにしてみれば、遙かに体格の違う小さなワンコたちなど敵でも何でもありませんから、貴重な獲物を奪い合う場面でもなければこんな小さな動物は自分たちの脅威にはなり得ません。</p><p>ちょっと変わったおもちゃを見つけた感覚で、犬なんてかわいいもんだってな感じかもしれません。<br></p><p><br></p><p>しかし、こんな大型の肉食動物と平然と転げ回って遊び、抱っこされて(要するに捕まって)も恐怖を感じていない様子の動物──イヌ!</p><p><br></p><p>考えてみりゃあ、一つ間違えば命のピンチです。</p><p>なんてこったです。</p><p><br></p><p>人間の大人だって、野生のホッキョクグマやライオンを前にすれば恐怖し、警戒し、逃げ出します。</p><p>いや、相手が大型肉食動物でなくとも、野生動物を前にした時、私たちはそれなりに緊迫し、警戒します。</p><p>これは私たちヒトもまた、動物としての本能を失っていない証拠です。</p><p><br></p><p>しかし!</p><p><br></p><p>&nbsp;きゃっほーい♪(※初対面) <br></p><p><img itemprop="image" src="https://iwiz-chie.c.yimg.jp/im_siggUHzrGwt7pwICByBoRQEXMA---exp5m-n1/d/iwiz-chie/note-140367-i1-_____.JPEG" alt="対シロクマ"></p><p>やっほーい♪(※たぶん初対面)</p><p><img src="https://iwiz-chie.c.yimg.jp/im_siggLi8zBsfHYO.25t.ZNRH0gw---exp5m-n1/d/iwiz-chie/note-140367-i2-____.JPEG" alt="対イルカ"></p><p></p><p>シロクマと兄弟同然に育った犬というわけではなく初対面だったそうで、もちろんイルカと海の中で育ったってわけでもないかと思われます。<br></p><p><br></p><p>我ら人間をぶっちぎって、野生の本能はどこいった状態。<br></p><p>キミタチなんなんだこの社交性の高さは!</p><p><br></p><h3>イヌの超社交性</h3><p>初めて会った人間にもしっぽをふりふり、なでてもらったらおなかを見せてごろりん。</p><p>公園で出会った他の犬同士でもおそれずに近づいて匂いをくんくんかぎ合って仲良しこよし。</p><p>これって動物としてはものすごい社交性です。<br></p><p><br></p><p>こんな行動を野生下でとろうものなら即、弱肉強食の餌食は必至!<br></p><p><br></p><p>オカシイ!</p><p>あきらかに動物としてオカシイよ、イヌ!</p><p><br></p><p>と思っていましたら、たまたま他の質問を知恵袋でした際に、おもしろい記事を紹介していただきました↓</p><p>http://nationalgeographic.jp/nng/magazine/1103/feature01/index.shtml</p><p><br></p><p>こちらの記事の5ページ目で、WBSCR17遺伝子とウィリアムズ症候群の話が出てきます。</p><p><br></p><p>記事の中では、WBSCR17遺伝子が関与するウィリアムズ症候群の子供について「他人の行動を巧みに読み、他人との間に壁を作らないわが子は、まさにイヌを思わせる」とあり、犬の野生原種であるオオカミとイエイヌとでも、このWBSCR17遺伝子に違いが見られるということが述べられています。</p><p><br></p><p>つまり犬の社交性は、生まれた後に人間によってそう育てられたからではなく、もはやイヌという生き物自体、生まれつきそういう性質を持っているということになります。<br></p><p>記事の中にもありますが、野生のトラやライオンが、飼い犬と一緒に育てられて犬と仲良くなるのと、犬が初対面の相手も信頼してしまう性質とは、まったく事情が異なっているということです。<br></p><p><br></p><p>人間も含め、確かに動物には好奇心で相手に無防備に近づき、どんな相手とも意気投合すれば無邪気に遊ぶ子供の時期がありますが、私たちも大人になれば自然と危険に備えて警戒することを身につけ、見知らぬ他人や他の動物に無防備に近づくことはなくなっていきます。</p><p>しかし品種改良の歴史の中で我々人間は、大人になってもまるで子供の時期をそのまま保ち続けるかのような、野生動物としてはあり得ないこんな社交性を持つ動物を作り出してしまったようです。</p><p><br></p><h3>イヌの悲劇</h3><p>そして、こんなハイパー社交性が招いたのではないかと思われる悲劇が・・・・↓</p><p>http://www.dogactually.net/blog/2009/12/post-fa31.html</p><p>この記事を読んだ時、私の頭の中には、見知らぬ仲間を発見して無防備に近寄るワンコの姿が浮かびました。</p><p><br></p><p>最悪なことにオオカミと犬は同種です。<br></p><p>きっと、狩猟犬は野生のオオカミに対しても、あろうことか、まずはいつものように匂いをかぎ合って、仲良くなれるか確かめようとしたのではないでしょうか。</p><p><br></p><p>どうしてオオカミと犬が「犬猿の仲」であるか、ということについては記事の中でも触れられていますが、やはり同種であるということが悲劇を生むことに拍車をかけているように思われます。</p><p>オオカミのほうも、野生では互いが近づきすぎなければ正体不明の相手をむやみに攻撃することはありません。</p><p><br></p><p>狩猟犬が、生まれ持っての犬としての社交性で、特にオオカミに対しては他の人間に飼われている仲間と認識して自ら近づいてしまうのではないかという気がします。<br></p><p><br></p><p>バリバリの野生動物であるオオカミにしてみれば、なんでこいつ近づいてくんの!?という感じかも?<br></p><p><br></p><p>テリトリーに入り込んだ敵か、あるいは単なる無防備な獲物としてオオカミに襲われ、ボロボロにされて逃げまどいながらも、人間に愛されて育ち、犬同士では仲良くコミュニケーションをとってきた犬にとっては、どうしてこんな目に遭うのかわからなかったに違いありません。</p><p><br></p><p>どうしてこの相手は自分に襲いかかってくるのだろうと思いながら、こんな場合にいつもなら止めてくれる飼い主の姿を最期まで求めていたのかもしれませんT T<br></p><p><br></p><p>そう思うと、なんだか涙が出てきました。</p><p><br></p><h3>イヌとオオカミは同種だけど違う</h3><p>オオカミの話が出たので、その違いについても少し。</p><p><br></p><p>オオカミもイヌのように種類によって様々な大きさがありますが、大型の種類のオオカミに獲物とみなされて襲われた場合、普通の狩猟犬にはオオカミと戦って相手を殺傷する能力や逃げきる能力はほとんどありません。</p><p><br></p><p>噛む力、負け。</p><p>足の速さ、負け。</p><p>牙の大きさ、負け。<br></p><p><br></p><p>(※ただしオオカミ用のウルフハウンドや競争犬であるグレーハウンドなどは、オオカミよりも速く走れるとされています)<br></p><p><br></p><p>生物学的には同種とされているのに!</p><p>なんで!?</p><p>誰のせいだよ!</p><p><br></p><p>はい・・・・我々人間のせいです。<br></p><p><br></p><p>我々人間は、家畜として飼い慣らし餌を与えてぬくぬくと育てることで、イヌという動物から野生の肉食動物としての大きな牙や強い顎の力、強靱な脚力や頑強な骨格、発達した大きな脳を奪い去りました。</p><p><br></p><p>知恵袋では闘犬とオオカミを戦わせたらどうなるかという質問がたびたび出ていますが、純粋に身体能力だけを比較した場合、イエイヌは別種の生物と言っていいほどオオカミよりも圧倒的に弱いのです。</p><p><br></p><p>原種と家畜動物との違いについては、こちらにもわかりやすくまとめられていますが、体のつくりが異なってしまっていることがわかります↓<br></p><p>http://www.koinuno-heya.com/sosen/dog-human.html</p><p>私たち人間が、このようにイヌを野生の肉食動物ではない生き物へと変えてしまったと言えます。</p><p><br></p><p>当然、原種である肉食動物のオオカミと戦ってイヌが勝てるわけもなく、オオカミにとっては確実に自分よりも弱い相手ですから、群で襲われたりしようものなら普通の狩猟犬はこてんぱんにやられて食べられてしまうのでしょう。</p><p><br></p><p>もっとも、身体能力では原種よりも弱いと書きましたが、特殊な訓練を受けて強靱な精神力と闘志を持つ闘犬と闘技場で戦わせた場合や、体格でオオカミに並ぶウルフハウンドを凶暴性を引き出し興奮状態にしてけしかけた場合などは、例え噛みつく力が弱かったり牙が小さいというハンデがあったとしても、オオカミを打ち負かす可能性を秘めています。</p><p><br></p><p>&nbsp;ちなみにこちらのお写真の向かって左が、オオカミを倒せると言われるウルフハウンドというわんちゃんです。<img src="https://iwiz-chie.c.yimg.jp/im_siggqHrXWg_cpEzsiNp_Vmmd8g---exp5m-n1/d/iwiz-chie/note-140367-i3-__________.JPEG" alt="ウルフハウンドとハスキー"></p><p>右のわんちゃんは小さく見えますがハスキーなんだそうです。</p><p>(襲われてるわけではなくてじゃれてるだけだそうですよー^ ^)<br></p><p><br></p><p>だいたい普通の狩猟犬と狼の大きさの違いもこんな感じだと考えると、無防備に近づけば悲劇が起きてしまうのもうなずけるかもしれませんね。<br></p><p><br></p><h3>イヌってやっぱりすごい動物</h3><p>生まれつき、相手に対して好奇心で近づいて、壁を作らない性質を持つイヌという動物。</p><p>殺されてしまうかもしれない相手とも、仲良くしようとするイヌという動物。</p><p><br></p><p>野生動物としては確実に淘汰されてしまうあきらかな異常。</p><p>こんな動物へと品種改良するなんて、人間はイヌになんてことをしてしまったんだ!</p><p><br></p><p>でもでも、しかし!</p><p>相手がイヌだろうと人間だろうと、他のどんな動物であろうと、無邪気に初対面で親しく接しようとする性質を持っているというのはすごいことでもあると思うんです。</p><p>自分より明らかに大型の動物と平然と遊べるし、自分より明らかに小さな動物とも狩猟本能ではない好奇心で仲良くなるという動物は、なかなかいません。</p><p>世界平和のために、人間も少しは見習うべきかも?<br></p><p><br></p><p>冒頭で紹介した、猛獣のホッキョクグマとさえ仲良く遊ぶワンコたちの姿は、こんな生まれ持ったイヌの性質があったからなんですねー。</p><p><br></p><p>番犬として飼っているはずが、誰にでもしっぽをふってしまう!なんて話を聞きますが、本来イヌというのは生まれつき、初対面の相手でも信頼して仲良くしたいと思う動物だということかもしれません。</p><p><br></p><p>私たち人間が品種改良を重ねて、そのようにしてしまったのですから、永遠に子供の心を持ち続けて信頼をよせる、まるで天使のような彼らを家族に迎えたら、危険からはしっかりと守って、いつまでも大事にしてあげたいものですね。</p>