声優になる為に、今すべき事

                                                    <strong><span style="color: #ff0000;">このノートの対象は「中高生」に向けて書きます。</span></strong><br /><br />昨今の声優ブームの為か、知恵袋でも多くの声優に関する質問が見受けられます。<br />当然の如く、どうやったら声優になれるか。また、今からどういった努力をすれば良いか。といった質問が出てきています。<br /><br />前者はいくらでも調べられるので、後者の<br />「今からどういった努力をすれば良いのか」<br />にフォーカスを当てて説明させて頂きたいと思います。<br /><br />その回答として<br />
  • マンガのセリフを喋ってみる。
  • アニメで字幕を表示し、それを喋ってみる。
  • 滑舌練習をする

等を数多く見受けれます。
が、私はこれをオススメしません。

何故なら、声優技術は独学で勉強出来るほど簡単ではないからです。
確かに、上記の方法は養成機関に所属している生徒ならば、多くの人が稽古している方法でしょう。しかし、それはあくまで、自分の間違いを正しい方法に修正してくれる講師がいるからこそです。
独学で声優の勉強をしても、それは声優の真似に過ぎず、何もあなたの得にはなりません。何の得にならないだけならまだしも、間違った方法が習慣づいてしまうと、それを取るのに大変苦労します。それだけであなたのデビューを数年遅らせると言っても過言ではありません。

では、今何をすれば良いのか。
ここではそれを紹介します。


①国語・現国の成績を常にトップを維持する
おいおい、そんな事かよ・・・。と思うかもしれません。
が、役者とはつまり「日本語のエキスパート」でなければいけません。

特に注意すべきなのが“形容詞”です。
日本語には形容詞が数多くあり、それを使い分けるのはかなり大変です。
ですが、それを出来ない事には、作者の意図も、どう表現して良いのかも、どう視聴者に伝えれば良いのかもわかりません。

特に現国を勉強するにおいて重要なのが「作者の意図」ですね。
「作者がどうしてその表現を使ったのか」
「作者はどう伝えようとしているのか」
これは台本を読む上で一番重要な事です。


②小説を沢山読む
当然、ここでいう小説とは、ライトノベルのような稚拙な文章ではなく、夏目漱石森鴎外などの小説です。挿絵が少ないモノが好ましいですね。

これをする利点として

  • 文章構成を正しく読み取る
  • 想像力を付ける
  • 活字に慣れる
  • 漢字に強くなる


大きく分けてこの4点が強化されます。
小説を読み慣れていないのであれば、ライトノベルから入るのも手ですね。
それから徐々にハードルを上げて行くと良いでしょう。

小説に限らず、新聞も読む事をオススメします。
小説同様の効果の他、時事について詳しくなる事で、年配の方とのコミュニケーションツールとしても使えます。


③ランニングをする
役者は結構体育会系なので、その基礎体力作りをしておきましょう。
習慣づける事で、持続する力が自信にもなります。
そして風邪に強くなります。

役者の世界では39度の熱は微熱です。
39度程度なら、吐いてでも、地を這ってでも、何をしようと、その日が仕事ならばスタジオに行かなければいけません。
その事を未然に防ぐためにも、万が一風邪になった場合にでも耐えうる体力を身につける為にも、基礎体力はつけておきましょう。


④お風呂上がりの柔軟体操
身体が柔らかいという状態は演技をする演技者としては、非常に良い身体です。
特に昨今の声優はダンスも踊るので、それに対しての準備段階、程度の認識でも良いので、お風呂上がりに10~20分程度の柔軟はしておきましょう。


⑤綺麗な日本語を聞く
NHKを見る。
目上の人(ご年配の人が好ましい)と沢山話す。
朗読CDを聞く。

何でもいいです。
ただ、民法のニュースは見てもあまり意味がありません。
民法のアナウンサーは大体の人が声優に必要な“鼻濁音”という発音が甘いので、なるべくNHKを見るようにしましょう。


以上が、中高生が今の内から出来る、声優になる為の練習方法です。
上記にも言いましたが、ちゃんとした専門家に見てもらえない環境なのであれば、

  • 滑舌練習
  • 発声練習
  • セリフ練習
  • 過度な筋トレ


はするべきではないですね。
腹式呼吸もそれに適した筋肉というのがありますので、あまりムキムキにならないようにしましょう。目指すべきはバランスが良い、柔らかい腹筋と背筋です。


このノートを眉唾モノと捉えるかはあなた次第ですが、声優とは直接結びついてなさそうなこの5項目を養成機関に入るまで継続して頂ければ、きっと声優としての技術を学ぶ上で、あなたの役に立つ事だろうと思います。
ここで記載した5項目は、若い内から鍛えてこその内容でもあります。
逆に言えば、声優の技術はちゃんとした講師に教われば、1,2年あれば(当然努力も必要ですが)ある程度の形になります。

が、国語力も、体力も、それは全て持続してこそです。
国語力に関しては年を取るにつれて、上達しづらくなりますし、何より教えてもらえなくなるので、今の内にした方が良いですね。

ちなみに、私は某声優専門学校を卒業後、某大手劇団の養成所に所属していました。